カステラが萎む原因、或いはしぼまないカステラを模索している第2回。
本日は、台湾カステラの禁じ手「ベーキングパウダー」を使用したものから検証していきます。
台湾カステラが萎む理由を調べた前回の記事はこちらからどうぞ。
目次
台湾カステラにベーキングパウダーを添加してみる!
禁じ手(?)・チート技のベーキングパウダー。
焼成中にガスを発生させることによって、生地を膨らませる事ができます。
ただ、台湾カステラは、メレンゲをしっかり泡立てれば、ベーキングパウダーを使用しなくても大きく膨らみます。
じゃあ、何故ベーキングパウダーを使用するのか・・。
ズルをしているみたいだけれど、ベーキングパウダーには、気泡で膨張した生地を安定させる働きがあります。
入れ過ぎると独特の風味が出るので、私もあまり好きではないけれど、安定した完成品を供給するのが必要な場合、添加されることが多いはず。
→ だから、お店で販売しているようなものは、添加されているんではないかという予想。
ほんじゃ、いつも通りの作り方に加え、小麦粉にベーキングパウダーを添加します。
ベーキングパウダーの使用量は、小麦粉全体の大体1~4%。
ふくらみ過ぎるとカステラの上部がパウンドケーキのように割れちゃうので、入れ過ぎに気をつけます。
という事で、2%くらいが妥当だろうか??
でも、40gの2%って、0.8g??
・・、ムリ。
計れないので3%(1.2g)を添加する事にします。
精密な量りがないと厳しいわ・・・。
という事で、今回は、一袋5グラムのパウダーをお皿に空け、何となく五等分したうちのひとつまみを加える事に・・・。
因みに、しっかり焼く事も視野に入れて、150度30分のレシピを、150度50分に変更します。
ベーキングパウダー添加の台湾カステラの様子
・・・でかっ!!
なんかよく分からないけど、焼けました。
ふくらみは大きいけれど、なんとか上部も割れずに収まりました。
焼いている間、わずかにベーキングパウダーの香り(ちょっと苦手)。
ほんの少ししか入れていないのに、すごい威力だ。
焼成時間を長くしたことで心配された「焦げ」はなく、キレイな焼き上がり。
これは、加熱15分あたりから、上部にアルミホイルを被せたことが功を奏していると考えます。
あ、そうそう、焼きあがったら、一度高い位置から落とすのを忘れてはいけません。
比べてみましょう。
その差は歴然!
向かって右側が、昨日焼いて1日置いた台湾カステラ。
左がベーキングパウダー添加のもの。
なんかもう・・・、パンみたい・・。
1日置いたやつも、焼きたては膨らんでたんですけどねぇ。
下の写真は、初めて焼いた時の写真です。
膨らんでいるし、あまり変わりはないでしょう??
切り口こんな感じ。
わずかに焼き縮みが認められ、キメや気泡が荒めですが、こんなもんでしょう。
味見した後で、冷めた状態のもの。
確かに、昨日焼いたものとは状態が違いますね。
ベーキングパウダーのなせる業か・・・。
若干の「コレジャナイ」感を感じつつ、検証と感想に続く。
ベーキングパウダー使用の固さや食感
ベーキングパウダーを使用して、しっかり焼きを入れたものは、縮みにくく、弾力を感じる仕上がりになりました。
一般的なレシピの台湾カステラが、ほわほわしゅわしゅわと頼りなく、空気のような食感で、生感覚なのがポイントだとしたら、こちらの完成品は、スポンジ程は重くなく、ふわふわだけど、しっかりとした食べ応えのある、シフォンのような感じです。
どちらも美味しいですが、ベーキングパウダーでしっかり焼き上げたものは、ふるふる感が減少し、ベーキングパウダー特有の香りもします。
ただ、形を保っていられるので、クリームやフルーツでデコレーションするなら、適していると言えましょう。
でも・・、それなら普通にシフォンケーキでいいんじゃないか??
という気持ちです。
それでは次。
今回は
① しっかり焼く
② ベーキングパウダーを使用
③ 卵が新鮮な高級品(平飼いの養鶏場より購入)
の3つの条件を意識して焼いてみましたが、ここからベーキングパウダーを引いたレシピで、再度挑戦してみます。
まだまだ続くよ!
ベーキングパウダーなしで、同条件で焼いた場合
出来ました!
ふくらんだ!
焼き時間は、160度で45分。
焼き色が違うのは、プレーンのものを焼いたためです。
今までは、ほうじ茶とか紅茶、キャラメルマキアート等の味をつけていたので茶色っぽかったのですが、なにも入れなければ、本来はこんな色です。
ぐりぐらぐりぐら・・。
やっぱり、下側はふるふるで頼りない感じです。
このままにしておくと潰れちゃいそう・・・。
潰れちゃいそうだから、横にして冷やしてみたりする。
もしかして、スリムなパウンド型なのが良くないのかな~とも思ったりする。
(カステラはスクエア型を使う事が多い。)
もっと広い面積のスクエア型なら、圧力を分散して潰れにくいとかあるのかなぁ・・。
あ、なんかいい感じです♪
でっかい穴がありますが、これは気泡じゃなくて、竹串刺した跡です。(焼けているか確認するのに、竹串を刺したりする。)
それでは、初めて作ったものと、比べてみましょう。
初めて作ったのはこの写真。
生焼けではないのですが、下の方から焼き縮みが始まっていますね・・・。
この辺がふわふわしゅわしゅわの所以で、出来立てをちぎるとほんとにシュワッと音がします。
初めて作った時は感動したものなんですが、そのままだとどうしても潰れてしまう。
台湾カステラ検証の結果まとめ
自宅で作る台湾カステラ。
他の失敗例は
というのが多いのですが、上部の割れはともかく、私は今まで真ん中が凹むという事は一度もありませんでした。
真ん中が凹む原因としては、メレンゲが弱かったというのが一番多い理由だと思いますが、もうひとつ。
どうしても生地の残りの方はへたりやすいのだそうだ。
それから、生焼けの状態ででオーブンから出したり・・。
上部の割れは、ふくらみすぎが主な原因らしいです。
お菓子作りも科学です・・・。
今回は、色々な条件で、フワフワのカステラが縮まない方法を試してみました。
焼き時間を長くして、少しでも縮みの少ないものを作りたい場合、生のような食感を犠牲にすることになります。
しっかり焼いても多少は小さくなりますが、冷めてもフワフワという所は変わりません。
どっちも美味しいです。甲乙つけがたし。
パウンド型で台湾カステラを作る場合、オーブンのくせや火力でも仕上がりが違うと思いますが、賞味期限10分、ふわくしゅの生感覚を味わいたいなら、150度30分。
その後クリームを挟む等、あまり焼き縮みしないものを作りたいなら、150度50分~160度45分を試すといいと思います。
今日は、冷めてもしぼまない台湾カステラを検証してみました。
いい卵使っているから、色がきれいです♡
卵の違いについては検証しませんでしたが、ここぞ!という時以外は、スーパーの卵でも充分いいと思いますよ。
それでは次回、レシピです。
興味ある方はみて下さいね~!
続きはこちら!
それではまた。
台湾カステラ、インスタやレシピサイトでよく見る形は、こんな型を使います。
台湾カステラの材料やレシピは、以下のサイトで手に入ります。