こんにちは、かたせうみです。
クワガタ飼育記後半は、幼虫の割り出しからです。
前回の記事はこちらです。
クワガタの幼虫が数匹確認出来たら、飼育容器から出して、1匹づつ飼育瓶に移します。
これを、「割り出し」といいます。
一つの容器で多頭買いすると、争いごとが起きたり病気が蔓延することもあるので、ブリーディングをするなら1匹づつ育成瓶に移すことをおススメします。
育成瓶は、100均などで購入した瓶にクワガタマットを詰めて作りますが、ノコギリクワガタなら、深いものよりは円周が大きくてあまり深くない瓶を使う方がいいと思います。
(浅すぎもダメ)
また、育成瓶ではなく菌糸瓶を使うこともできますが、ノコギリクワガタにはあまり向かないとも言われています。
個人的な感想では、菌糸瓶を使用すると成長が早く、大きくなる感じがしますが、菌糸瓶はお金もかかるので、自己判断で使用しましょう。
ホームセンターで買うよりはネットの方が安く、市販品の3分の1くらいの値段で購入することが出来ます。
幼虫の割り出しをしよう
11月ころ、卵から幼虫が孵化し、飼育容器の底に食痕が見えるようになったら、いよいよ幼虫を個別の部屋へ移します。
部屋で 作業する場合は、新聞紙を広げ、さらにその上にガーデニング用のブルーシートなどを広げて、飼育容器をひっくり返します。
ここから、気の長い作業となります。
いきなり飼育瓶に移さずに、少し様子を見るため、プリンカップなどにマットを入れて、幼虫を1匹1匹移していきます。
広げたマットから、小さいスプーンなどで少しづつマットを崩し、幼虫を見つけていきます。
何もいない所のマットは、再び飼育容器に戻します。
幼虫を傷つけないように、気を使う作業です。
プリンカップである程度様子を見たら、育成瓶へ移します。
この時は、まだ割り出しは少し早かったかなという感じです。
結果的には育ちましたけど・・。
育成瓶の作り方
育成瓶の作り方です。
基本は、瓶に飼育マットを詰めるのですが、クワガタの幼虫はかじる事を好むため、育成マットは固めに詰めます。
瓶にマットを入れたら、霧吹きでマットを湿らせます。
その次に、スリコギなどの棒でマットを押し固めていきます。
この作業を繰り返し、育成瓶を作ります。
最後に、幼虫を入れたら終了です。
幼虫は勝手に潜っていくので心配ありません。
この時に下まで潜れない子は、何か問題がある場合が多く、悲しい事ですが長生きしません。
このまま3か月位放置。適度に湿気を与えます
秋の終わりから冬の初めに幼虫を育成瓶へ移したら、後は飼い主はすることがありません。
日々、ガラスの瓶越しに幼虫を観察するのみです。
始めはとっても気になりますが、むやみに揺らしたりしないように注意しましょう。
湿度は重要です。
2日に1回くらい霧吹きでマットを湿らせます。
ガラス瓶は水はけが悪く、下に水が溜まったりすると病原菌の発生を誘発したり、幼虫が腐ったりします。
加減が難しいですが、乾燥や、水の与え過ぎににも注意してください。
春になる前に、1度育成瓶を交換する
幼虫が成長してくると、育成マットはかみ砕かれて、フンと混ざり泥状になります。
春になる前に、1度マット交換をしましょう。
春を過ぎると、メスなどの早い子は前蛹状態になっていることもあります。
この時に掘りだしをすると、命を落とす可能性があります。
ノコギリクワガタの幼虫がいつ蛹になるのかは、個体差があるのではっきりと分かりません。
ただ、春先に掘りだしをして、死んでしまった子が我が家にはいたので、他の幼虫が蛹になったタイミングなどを考えると、2月の終わりを過ぎる前に1度マットの交換をするといいと思います。
掘りだしをして、もし前蛹状態であれは、「人工蛹室」を準備しなければなりませんが、前蛹状態は初心者には見分けがつきません。
なので、時期を見てという事になります。
また、不衛生なマットは病気の原因になりますので、やはり1度はマット交換が必要になります。
この時も、幼虫を傷つけないよう、細心の注意を払って交換しなければいけません。
あまり深い瓶を使用していると、交換の時すごく大変なので 、適度に浅い瓶を選んでください。
蛹室ができたら前蛹確定。そっとしておきましょう
こんな風に、育成瓶にぽっかりと穴が開き、周りがフンで固められたようになった空洞ができはじめたら、それは幼虫が蛹になるための部屋を作っている証拠です。
「蛹室(ようしつ)」といいます。
幼虫が食べ進んだ跡もこんな感じになるので見分けがつきにくいですが、蛹室の場合は周りをフンで固めるので、よく見ると何となく見分けがつきます。
また、この頃には、幼虫は食べるのをやめ、下半身が透明な感じになってきます。
この部屋ができると、ほどなくして幼虫は蛹になります。
この様子は、こちらの記事となります。
クワガタの幼虫がメスだった場合や、菌糸瓶で飼育した場合は一冬越せば蛹になります。
オスの幼虫だった場合や、成長がゆっくりな幼虫だった場合、もう1回幼虫のまま冬を越す場合があります。
夏が終わっても元気にエサを食べている様なら、様子を見てもう一度エサ替えが必要になります。
クワガタ、長生きだね・・。
21日位で羽化しますが、出てくるまでそっとしておきましょう。
さて、幼虫が蛹になれば一安心。
一件落着と言いたいところですが、乾燥は大敵です。
適宜、霧吹きで水分を与えてください。
また、蛹室を瓶の底に作ってしまった場合は、羽化不全の可能性が跳ね上がりますので、出来れば人工蛹室を作り、蛹を移してあげてください。
私は作ったことが無いので、お手数ですが人工蛹室についてはググって下さい。
ごめんなさい・・。
トイレットペーパーの芯や、フラワーアレンジメントに使うオアシスやスポンジなどで作成するようです。
蛹になって21日くらいすると、突然蛹は羽化して成虫になっています。
ちょっと見えづらいですが、羽化したばかりの時は、腹側などはまだ白く、羽と腹のバランスが悪く見えます。
そのうちに体が乾くと、全体的に茶色になります。
1カ月は出てきません。そのまま冬を越すことも多いです。
羽化したばかりのクワガタは、まずは体を乾かします。
蝶のように、数時間で飛んでいったりはしません。
蛹室の中で、横になっていたり、ひっくり返っていたり。
まんべんなく体を乾かします。
ひっくり返っている姿はまるで死んでいるようでびっくりしますが、生きています。
揺らしたり、びっくりさせないように。
羽化したばかりの成虫は、体がまだ柔らかいので、掘り出してはいけません。
1カ月位すれば掘り出して飼育ケース(昆虫マット付き)に移してもいいですが、自然と瓶から出てくるまで待っていても大丈夫です。
ただ、育成マットが固すぎる場合は、オスは大あごを折ってしまう事もあるので、1~2か月したら、マットの様子を見て、掘り出すのかどうするのか決めてください。
掘り出した後も、成虫はマットに潜り、冬の終わりまで出てこないことも多いです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
クワガタの成虫が一人で出てきたら、また飼育の始まりです。大事にしてあげてください。
それでは、最後にうちの自慢のポルポさん(ノコギリクワガタ・オス・成虫)をご覧ください。
このクワガタは、2年幼虫でいました。
ノコギリクワガタはあまり大きくならないのですが、ポルポさんは結構大きいです。
目も大きいし、大あごに日本刀のような鎬筋(しのぎすじ(調べた))があってかっこいいでしょ。
一度掘り出しをしましたが、ポルポさんは餌に手を付けず、暫くゴソゴソした後、土に潜っていきました。
この冬もまた、越すのだろうか・・。
それではまた。